徐々に机上の空論

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ヘルタースケルター

岡崎京子の漫画「ヘルタースケルター」が原作の映画。
写真家・蜷川実花が監督を務める第2作だそうです。

2回見ました。
BDが出たら買うと思います。

概略

体のいたるところを整形し、誰よりも美しい外見を手に入れた女性。
その美貌を用い芸能界で活躍し、人々の憧れの的である。
しかし、実際は美しいだけじゃ何も満たされなかった。
美しくてグロテスクな、崩壊。

脱線しながらツラツラ語ります。
以下、ネタバレあり

あらすじとか

芸能界の輝かしさの全てをあらん限りの華やかさで切り取り、
その中央を颯爽と歩む、主人公りりこ。
あたかも完璧な存在のように君臨するが、終わりに向かって進んでいた。
りりこは不完全だった。
仕事に追われる中で、自分の美しさが崩れて行く恐怖。
華やかな仕事ではあるが、自分の潜在的に求める幸せが手に入らない怒り。
自分が作り物だと、もうすぐ限界が来ると知っている諦め。
自分の仕事や居場所は様々なものによって蝕まれて行く。

整形の弊害で再手術を頻発。
若手の出現とともに精神的に圧迫され体調を崩す。
芸能界という場所で消費される存在に過ぎない事を少しずつ自覚。
追いつめられて、りりこは自分の引き際を決する。

合間合間に取材のシーンが挿入され、主人公と周辺人物の関係が明かされて行く。
またそのシーン自体が物語の展開を進めるナレーションのような役割も果たしている(多分)

思うところ -ばらばらと-

一般人が思う芸能界の憧れや煌めきを見事に映し出している。
また、それに憧れながらも消費する若者の様子も。
原作が書かれたころの女子高生ってどこか刹那的だったように見える。
飯島愛がその到達点というか。
若さの輝きは一瞬のものだと知っていて、その先を知っている。
どこか退廃的だったそれを思い出した。
とても魅力的に描かれた全てが少しずつこぼれ落ちていく様子や、
その中で受け入れながらも藻掻くりりこの姿が強烈だった。

美しさを求める事自体は承認欲求のようなものだ。
本当は美しくなりたいんじゃなくて、
誰かに愛されたかったり、自分を受け入れたいだけなのだ。
しかし、承認欲求は無限に湧くものだし、
限度線は自分で引かなければならない。
それが出来ないと、金や名誉、美貌や若さにすがるようになる。

りりこはそれだけではなかった。
認められるために、全方位に必死で与えた。与えようとした。
激烈なりりこという存在に振り回された人々は
なんらかを与えられている。
それを鑑みれば群像劇のように見る事もできる。

もっとも近い立場にいながら振り回されなかった人がいる。
後輩モデルのこずえだ。
対比として天然物の美貌を持つ彼女には、
承認欲求の類は希薄だったのだろう。
りりこの、与える事で何かしらの見返りをもらいたいスタンスが
全く通用しない存在であったともいえる。
価値観のまったく違う人間との出会いは人を大きく揺さぶる。
本当に恐ろしいことだ。
異星人の襲撃と大して変わらない。
図らずも、物語の中で最大にして最悪の敵となった。

承認欲求の強さは特に、人との付き合いで重要だ。
強さがある程度同じ人同士でないとうまく噛み合ない。
距離感に言い換えることも出来る。
強い依存は承認欲求を満たすし、
承認欲求が薄ければ、孤独なスタンスも容易い。

物語で、検事がりりこのことを「アリアドネの糸」に喩える。
平たく言えば解決の糸口ということだが、これは成功したとは言えなかった。
(結果オーライな部分も否めないけど)
もしも、こずえの登場よりも前に検事が表れていたらどうだったろうか。
別の展開もあったんじゃなかろうか。

なんかいくらでも書けそうな気がしてきた。
いい加減長いのでココまでにします。
書きたい事増えたら新しく記事おこします。
ヘルタースケルター スペシャル・エディション(2枚組) [Blu-ray]

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