ヴァンパイア

岩井俊二監督作品。
この方の作品は今回が初見です。
結構ワクワクしてたし、見終わった時見て良かったと思った。
楽しめる人が限られる作品だとは思うので、万人には勧めない。
でも勧めたい人には勧めたい、そんな作品。

感想〜美しい〜

まず最初に思ったのは、日本人なのにヨーロッパ映画を撮った!?という事
多分それは全体の彩度や風景の撮り方によるのだと思う。
それから、音楽は限られた曲をうまく反復させて使っており、
全体の雰囲気作りにとても貢献していた。いい感じ。

以下、作品の内容を多少書きますよ。
内向的な主人公は感情が表に出づらく、
人との会話の端々から少しずつ見えてくる。
それらをうまく紡いでいって話を魅せて行くようになっている。
主人公は、有り体に言えば猟奇殺人犯なのだけれど、
うちに抱えたルールや美学、フェティシズムが、
純粋な形で観客の中に流れ込んで来るようだった。
主人公の全ての行動は自然で純粋で、
映画の中で起きた事全てが美しいかのような気さえした。
だから、そういう危うさもあるな、とは思った。

激しさやどぎつさが無く、終始ナロウな空気である。
その中に自分をどっぷり浸からせて、出て行くのが嫌になるようだった。

とにかく美しかった。