おおかみこどもの雨と雪

小さな子供のいるご家庭などにオススメ。
自分自身はというと…あまり向いていなかったようだ。
いい話だなーくらい。
ウォーゲームやサマーウォーズ細田守監督作品。

あらすじ

主人公の女性は狼男と恋に落ちて
子供を二人もうけ(雪、雨)
田舎にこもり女手一つで育てていくが
雪と雨はそれぞれの育ち方をしていき
云々

好き嫌いの問題

単純に気に食わないと感じたことが多かった。
これはもう好き嫌いの問題で、
自分には向いていなかったのだと感じた。
思い出せる点をいくつか挙げてみる。
狼男の死に様
なんか唐突だったし、ちょっと笑いそうになってしまった。
話の展開として死んだ、という感じが強かった。
まあ実際に事故で死ぬときなんて唐突だろうけど、
フラグ立てか、唐突に対する戸惑いとかの
描写がもっとあってもいいのではないかと。
ゴミ収集車に回収されるシーンは必要だったろうか?
あれ何かシュールな笑いを誘ってるのかと思った。
恐らく、理由も無く蒸発した訳じゃないことを示したかったのか
と思うけど、信頼関係は十分書かれていたからそこまでしなくても。
雨と雪に対する愛情の分配
雪ちゃんほったらかしではなかったか。
もちろん世話をみている描写は無くもなかった。
しかし……、女の子ってそんなもん?
それとも兄弟がいるとそんなもんなのかな。
物語は雪の回想という形で進んでいるけれど、
母親からの伝聞が弟のことばかりだとは思わなかったのだろうか。
物語中の母親は雨に対してずっと狼男の影を重ねていたように見える。
それ自体が雪の主観として書かれているのなら
ハートフルボッコにもほどがある。
人とオオカミの交わり
子供連れがたくさん来そうな映画で、
狼男と人間の女性がしっかり子作りしましたという痕跡を描写。
ぎょっとしたよ。
子供がみるんだからセックス描くなというつもりは無いけれど
言ってしまえば獣姦なわけですよ。
違う種族で交配するのは基本的には不可能なことが多いのだから
せめてセックス中くらい人間の姿でいてください。
雪側の話
自然に帰ろうとする雨と人間として生きる雪で話が大きく分かれたとき
母の視点による雨側の話が強く描かれていたけれど、
比べて雪側の話はインパクトに欠けたな、と。
役者はそろっていたけど、もう少し深堀りされていたら好みだったかなあと。
不安だけじゃなく、反発とひと雫の退廃が欲しい味だった。

面白く見た点もある

ジャンルは絵本、が近いのかもしれない。
そう思うとかなりいい出来の作品だと思う。
ジブリとも似てる点はあるかもしれないけど、
ジブリは神話寓話昔話の類なので、構成が全然違うよね。
あとすごいと思ったのは、全体の造りがほぼ感覚よりで作られていること。
どちらかというと練って煮詰めて作る話に触れることが多いし
自分もそういう形で考えるタイプだと思う。
対して、イメージしてそのまま落とし込んできたのだろうと思うと、
才能って感じがするなあ。
風景描写
キャンパスライフとか恋愛描写はベッタベタで好感。
都会の窮屈さや田舎の暮らし辛さ暮らし易さに関しても中々。
子供の描写
躍動的なこども描写はジブリっぽさもあったかな。
気のせいかも。
農作業
農作業がうまくいかないことにリアルさを感じて感動したという
感想を友人からきいて、へぇと思った。
実家の庭は農家からもらった土だからか、基本植えれば育つので……。

大半の人には向いているのだろう

純粋さや性善説、愛情に関するお約束といったもので担保されている話。
だから自分にはあまり合わなかったのだろうと推測している。
いい話だなあと言いつつバンバンぐちぐち言っているあたり、
本当に向いてないんだなあと思った。