記録01 いつからおかしくなっていたのか

例えば地震があったときだろうか。
しかしそういう会心の一撃だけで戦闘不能になったわけではないように思う。
そのときそのときでとても後ろ向きのときがあったり、24h以上眠り続けるようなときもあった。下地は20年そこそこでできてしまっていたのかもしれない。
2011年はエリアルコンボを決められて私は見事に撃沈した。

大学の同期の研究室の先輩や、教授・准教授に、散々助けられて何とか卒研は済ませてもらった。とても自分の名前でだすのは恥ずかしいくらい手伝ってもらった。講義も何コマか残っていて、でも最後だからなんとかやり切れた。
卒業式を間近に気がゆるんでおり、また漠然とこの先に不安のある、普通の大学生だった。

やっぱり地震辺りから考えていくのが、最もキリがいいようだ。
自分自身の感じた恐怖以上に、周りの様々なものが恐怖を訴えてくる。
ガラス張りのビルがクネクネ揺れている。
隣り合った雑居ビルが、満員電車のサラリーマンのように肩をぶつけ合っている。
鳩が聞いたことのない悲鳴をあげながら、低空飛行で旋回する。
しばらくするとラジオから「津波から逃げてください」と繰り返される半狂乱の声がした。
本当に全てがおかしくなっていって、今まで同じ場所にいたはずなのに、そこはもう全く別の場所になってしまっていた。
その後も、一晩中テレビから地震津波の警告が流れ続け
ネットでは安否の確認が取り合われ、友達の家をいくつか回って
数日後、電車の復旧したときやっと帰宅した。
今度は壊れた発電所輪番停電放射能、食料の買い占め、ガソリンスタンドの行列。
現実が炎上していた。数週間続いて、就職先の研修で関西に引っ越した。
関東から逃げられて良かった。瀕死だったから。

続く?